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らふぁえろ☆あくと

イタリア出身の元画家のブログ

神話の神々

【主題深堀】ギリシャ神話

Ciao!こんにちは。

 西洋画って、古い時代のものになればなるほど何が描かれているのかわかりにくい物が多いよね。特に宗教画ネタは元ネタがわからないと、何のことだかさっぱりだよね。

このカテゴリーでは、わかりにくいテーマの筆頭として挙げられる(かもしれない)ギリシャ神話の神々について、じっくり見ていくよ。

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The birth of Venus, Sandro Botticelli

 古代ローマ土着の信仰とギリシャの神々

ヨーロッパの神話といえば、一番に思いつくのがギリシャ神話じゃないかな?でも、それとは別に古代ローマにも土着の信仰があったんだ。

ただ、今では「ヴィーナスはギリシャ神話のアフロディーテ」のように二つの神話は切っても切れない間柄になっているよね。

どうしてこんなことになったかというと、紀元前6世紀ぐらいに、ローマ神話とギリシャ神話の統合が勧められたからなんだ。オリジナルの神話にいなかったギリシャの神様やエピソードが加えられたことで、二つの神話がぐっと近づいたんだ。

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ローマの神話でローマを建国したとされる狼に育てられたロームルス。さすがにこの部分はローマ神話のオリジナルじゃないかな?

どうしてローマの神は異端ではないのか?

さて、ルネサンス期のイタリアはもちろんキリスト教世界だったわけだけど、ご存知の通りギリシャ神話に着想を得た絵もたくさん描かれているね。

 キリスト教は一神教だから、本来であればギリシャの神は異教の神であり、それを描くことは異端とされるんだけど、当時のイタリアでは古代の神々を実際に信じている人は居なかったから、特に問題とされなかったんだ。死んだ信仰だから、生き生きと描けたなんて皮肉だよね。

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ペルセウスに解放されるアンドロメダ, Piero di Cosimo 

ギリシャ神話の英雄ペルセウスが生き生きと活躍する英雄譚の一つ。彼の一番有名なお話はメデューサ退治。

神話の神が人気な訳

僕たちの時代、絵は個人的な趣味のものではなく、教会に納める宗教画と権力者に治める肖像画が中心だったんだ。そういうオフィシャルな発注は、どうしても絵が堅くなるんだよね。

そんな中でちょっと違うテイストで描けたのが古代の神々の絵なんだ。一応神様の絵を描いているわけだから、色々と言い訳もたつんだ。

たとえば、裸婦を「女神像です」って言ったりね。当時は女性の裸を描くだけで「なんて破廉恥な!」って言われた時代だったから。

さらに幸運なことに、古代ローマやギリシャの神々は、神様といいつつ、人間のように怒って、笑って、恋愛もする。しかも愛し合ったり、浮気したりのスキャンダラスな部分も持っている。そんな人間らしい神様だから、画家にも依頼主にも好まれたんじゃないかな?

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 ウルビーノのヴィーナス,Tiziano Vecellio(ティッツイアーノ)

もともとはただの「裸婦のイメージ」というタイトルだったらしいんだけど、後にヴァザーリによってヴィーナスと呼ばれるようになる。当時は裸婦なんてありえなかったからね。ちなみにウルビーノは僕の故郷!僕のベッドにもこんなにかわいいヴィーナスが舞い降りてくれたらなぁ。

 

それでは、今回はこの辺で。次からは、有名どころの神様にスポットを当てていくよ。

じゃあまたね。A presto!