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らふぁえろ☆あくと

イタリア出身の元画家のブログ

ゼウスとその家族

ギリシャ神話シリーズ第二弾は、ギリシア神話の最高神ゼウスについてだよ。

ゼウスというのはギリシャ語での名前で、ローマでの名前をユーピテル(Juppiter)、英語名をジュピター(Jupiter)というよ。

 

日本では、ギリシャ名も結構親しまれてると思うけど、僕たちはローマ名を一般的に使ってたから、今後出てくる神様はみんなローマ名で呼ぶことにするね。

 

ユーピテルは木星を司る神様であり、雷も操れる、ギリシャ神界最強の神様なんだ。彼は代々、神界の最高神を務める家柄に生まれたサラブレットなんだけど、彼が最高神になるまでにはまあ、色々とあったのさ。

というのも、ユーピテルの父親であるサトゥルヌスが生まれてきた子供をどんどん飲み込んでしまう、とんでもない父親だったんだ。

 

なぜこんなことになってしまったのか。その原因は、サトゥルヌスとユーピテルにとっておじいちゃんに当たるウラヌスの大喧嘩にまでさかのぼる。

 

ウラヌスとサトゥルヌスは神界の最高神の座を巡って全面戦争をするんだけど、負けたウラヌスは去り際に、「こんなことしてたら、いつかお前もおんなじ目に遭うぞ!」って言葉をサトゥルヌスに残したんだ。

 

その言葉が妙にクロノスの心に引っかかって離れない。いつか自分も子供に追い落とされるんじゃないかと恐れた彼は、自分の子供が生まれるたびにその子を飲み込むようになってしまった。

 

その状況を描いたスペインの画家ゴヤの絵(↓)は、見たことある人も多いんじゃないかな?

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Francisco José de Goya y Lucientes, 我が子を食らうサトゥルヌス, Museo del Prado

 

これは下のルーベンスの絵をもとにしていると言われているよ。

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Peter Paul Rubens, 我が子を食らうサトゥルヌス, Museo del Prado

 

ちなみにサトゥルヌスの上にある三つの星は、土星とその輪なんだけど、この絵が描かれた1600年代前半の望遠鏡の精度では、土星の輪をはっきりと見ることができなかったので、左右にひとつづつ小さい星があると思われていたんだって。

 

あ、なんで土星が急に出てきたかというと、サトゥルヌスの英語名はサターン。つまり土星をつかさどる神ってわけさ。

 

さて、そんな夫を持ちながらけなげに子供を産み続けた妻レアも、さすがに6人目の子供が生まれた時には、キレたのさ。子供の代わりに石を産着に包んで夫に渡し、子供は安全な場所に隠して育てることにしたんだ。

 

 伝説では、アマルティアという女性と、半人半獣のサテュロスによって育てられたといわれているよ。

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Nicolaes Pietersz Berchem, The Infancy of Zeus, Mauritshuis

 

そうして、密かに育てられたのがユーピテル。大きくなった彼は、父の体内で生きていた兄たちを開放し、母や巨人族を味方につけて父を打ち倒し、自分が最高神の座に収まる。結局のところ、こうして祖父ウラノスの予言は当たってしまったんだね。

 

大人になったユーピテルはこんな様な感じ↓

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作者不明, スミルナ(現トルコのイズミール)のユーピテル, Musée du Louvre 

 

上の像は若めに作られてるけど、一般的にはもうちょっとおじさんのイメージで表現されることが多いよ。

 

彼は、ヘラという奥さんもできて、ウルカヌスという子供(前回話したヴィーナスの旦那さんだね)も生まれたんだけど、ここでハッピーエンドとならないのがギリシャ神話の醍醐味さ。ギリシャ神話の神様たちは、強さと同時に欠点も持っているんだ。

 

ユーピテルの欠点は、女性にめっぽう弱いってところさ。このことが仇となって、数々の問題が起きるんだけど、それはまた次回のお話。

 

それでは、またね!